温泉はたったの10種類しかない!? 泉質をすべて解説

温泉の泉質

温泉には、含まれている化学成分や、温度、液性(pH)、色、匂い、味、肌触りなど様々な特徴がある。泉質は温泉に含まれている化学成分の種類とその含有量によって決められ、10種類に分類することができる。

 

 

1 単純温泉

基準

温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg未満で、湧出時の泉温が25℃以上のもの。このうちpH8.5以上のものを「アルカリ性単純温泉」と呼んでいる。

特徴

肌触りが柔らかく、癖がなく肌への刺激が少ないのが特徴で、アルカリ性単純温泉は、入浴すると肌が「すべすべ」する感触があるのが特徴。

岐阜県・下呂温泉、長野県・鹿教湯温泉など

泉質別適応症

浴用 自律神経不安定症、不眠症、うつ状態

 

2 塩化物泉

基準

温泉水1kg中に溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が塩化物イオンのもの

特徴

陽イオンの主成分により、ナトリウムー塩化物泉、カルシウムー塩化物泉、マグネシウム―塩化物泉などに分類される。日本では比較的多い泉質。塩分が主成分となっているので、飲用すると塩辛く、塩分濃度が濃い場合やマグネシウムが多い場合は苦く感じられる

静岡県・熱海温泉、石川県・片山津温泉など

泉質別適応症

浴用 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
飲用 萎縮性胃炎、便秘

 

3 炭酸水素塩泉

基準

温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンのもの

特徴

陽イオンの主成分により、ナトリウムー炭酸水素塩泉、カルシウムー炭酸水素塩泉、マグネシウムー炭酸水素塩泉などに分類される。カルシウムー炭酸水素塩泉からは、石灰質の温泉沈殿物、析出物が生成されることがある

和歌山県・川湯温泉、長野県・小谷温泉など

泉質別適応症

浴用 きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
飲用 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)

 

4 硫酸塩泉

基準

温泉水1kg中に溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が硫酸イオンのもの

特徴

陽イオンの主成分により、ナトリウムー硫酸塩泉、カルシウムー硫酸塩泉、マグネシウムー硫酸塩泉などに分類される

群馬県・法師温泉、静岡県・天城湯ケ島温泉など

泉質別適応症

浴用 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
飲用 胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘

 

5 二酸化炭素泉

基準

温泉水1kg中に二酸化炭素が1,000mg以上含まれているもの

特徴

入浴すると全身に炭酸の泡が付着して爽快感があるのが特徴。ただし加温をすると炭酸ガスが揮散する場合がある。飲用すると炭酸の爽やかな咽越しが楽しめる。日本では比較的少ない泉質。俗に「泡の湯」とも呼ばれることがある

泉温が比較的高いものは大分県の長湯温泉が有名。泉温の低いものは山形県・肘折温泉郷の黄金(こがね)温泉など

泉質別適応症

浴用 きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
飲用 胃腸機能低下

 

6 含鉄泉

基準

温泉水1kg中に総鉄イオン(鉄Ⅱまたは鉄Ⅲ)が20mg以上含まれているもの。陰イオンによって炭酸水素塩型と硫酸塩型に分類される。

特徴

温泉が湧出して空気に触れると、鉄の酸化が進み赤褐色になる特徴がある。

兵庫県・有馬温泉など

泉質別適応症

飲用 鉄欠乏性貧血症

 

7 酸性泉

温泉水1kg中に水素イオンが 1mg以上含まれているもの

特徴

口にすると酸味がある。殺菌効果もある。ヨーロッパ諸国ではほとんど見られない泉質だが、日本では各地でみることができる

秋田県・玉川温泉、岩手県・須川温泉など

泉質別適応症

浴用 アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症

 

8 含よう素泉

基準

温泉水1kg中によう化物イオンが10mg以上含有するもの

特徴

非火山性の温泉に多く、時間がたつと黄色く変色する

千葉県・青堀温泉、東京都・前野原温泉など

泉質別適応症

飲用 高コレステロール血症

 

9 硫黄泉

基準

温泉水1kg中に総硫黄が2mg以上含まれているもの

特徴

硫黄型と硫化水素型に分類され、日本では比較的多い泉質。タマゴの腐敗臭に似た特有の臭いは、硫化水素によるもの

栃木県・日光湯元温泉、神奈川県・箱根温泉郷の小涌谷温泉など

泉質別適応症

浴用 アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型については、末梢循環障害が加わる)
飲用 耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症

 

10 放射能泉

基準

温泉水1kg中にラドンが30×10-10キュリー以上(8.25マッへ単位以上)含まれているもの

特徴

放射能というと人体に悪影響を及ぼすと考えられがちだが、レントゲン等の放射線量よりずっと少ない量となっている。ごく微量の放射能は、むしろ人体に良い影響を与えることが実証されている

鳥取県・三朝温泉、山梨県・増富温泉など

泉質別適応症

浴用 高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎など

 

 

<引用参照元:日本温泉協会 温泉名人>